天才
僕は天才と呼ばれている。名前は五郎。僕の記銘力と計算能力は史上類をみないという。しかるに僕は不当な扱いを受けている。人権を侵害されていると言っても過言ではない。他の奴らは頭が悪すぎて僕の相手にはなりようもないし、僕はとても孤独なのだ。これまで二十年生きてきたが、ずっと学問的な研究ばかりやらされている。 と、そこまで五郎がワープロを打ったとき研究所の職員が五郎の部屋に入ってきて言った。 「これが史上最高の天才猿の五郎です。」